仙台箪笥は江戸時代末期に誕生したといわれています。仙台藩の地場産業として生まれ、武士たちが刀や羽織を納める身近な生活財として愛用したようです。材料にはケヤキや栗を用い、大きさは、幅4尺(約120センチ)、高さ3尺(90センチ)。ケヤキの木目が浮かび上がる木地呂塗りに、豪華な鉄の飾り鉄金具が付くのが特徴です。生産のピークは明治から大正中期のことで、当時はヨーロッパにも輸出されました。戦時中は一時生産がストップしますが、戦後に再開され、現在も、指物、漆塗り、金具の3つの熟練した職人技によって、美しい箪笥がつくられています。